苦痛の少ない胃カメラ・大腸内視鏡検査、日帰り肛門手術、やけどやキズの湿潤療法は川越駅前胃腸・肛門クリニック(埼玉県川越市)
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苦痛の少ない胃内視鏡検査(胃カメラ) - 川越駅前胃腸・肛門クリニック(埼玉県川越市)
胃がんを予防したい、胃に痛みや違和感を感じるなど、ご心配な方は気軽にお問い合わせ下さい。
また、ご家族で胃の疾患(ピロリ菌陽性)をお持ちの方は、一度検査されることをお勧めします。
ピロリ菌の検査や除菌は、胃カメラ(胃内視鏡検査)で胃潰瘍、十二指腸潰瘍や慢性胃炎を認めた場合に保険診療が適応となります。そのため、胃カメラなしでは保険診療でのピロリ菌検査および治療はできません。
胃カメラはしたくないけども、ピロリ菌の検査や治療を受けたいという多くのご要望があります。そこで当院では、保険適応とならない方を対象に自費診療によるピロリ菌検査・除菌を行っております。
ピロリ菌はらせん状をした細菌で、4~8本のしっぽをヘリコプターのように回転させて移動するため、ヘリコバクター・ピロリと名付けられました。胃の中は酸性が強く、生物が生きていけない環境ですが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素で胃酸を中和することにより、胃の中に住むことができます。ピロリ菌は、非常に進化した細菌で、この働きが結果として胃に悪い影響を与え、思わぬ病気を引き起こします。
1994年、世界保健機構(WHO)は、ピロリ菌を発がん物質として認定しました。除菌により胃がんの発生率が1/3に抑制され、ピロリ菌の除菌が胃がんの予防効果があると証明されました。
日本では40歳以上では約70%の感染率で、全国民の約半数(6000万人以上)が感染しており、ほとんどが5歳以下の幼少時に感染するといわれています。一度感染すると除菌しない限り胃の中に住み続けます。感染経路としては、経口感染(感染している親からの離乳食の口移しなど)や井戸水によるものが殆どです。
子供が生まれる前の世代が除菌を行うと、子供へのピロリ菌感染を予防できます。結婚前の20歳頃に一度ピロリ菌の検査を受け、ピロリ菌に感染している場合は除菌することにより、次世代にピロリ菌感染を伝えることがなくなります。若い世代が除菌を行うことでピロリ菌が撲滅し、日本人の胃がん発症が減少することと予測されます。
アメリカの報告では、両親がピロリ菌に感染していない場合は、子供への感染率は約3%程度ですが、両親がピロリ菌に感染していると、子供への感染率は40%に達するようです。
ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性(萎縮性)胃炎、胃癌、胃MALTリンパ腫の発生や進行、特発性血小板減少性紫斑病などに関係しています。除菌することにより胃潰瘍、
十二指腸潰瘍の再発は減り、慢性胃炎の方は胃がんの予防効果があると考えらています。
日本では年齢とともにピロリ菌の感染率が上昇します。ピロリ菌に感染していると
年間約2~3%で胃潰瘍や十二指腸潰瘍、約0.4%の確率で胃がんになるリスクがあると言われています。
ピロリ菌が胃の中に存在しているだけならば、症状が出ることはありません。症状が出るのはピロリ菌が原因で何らかの病気が発症した時のみで、保菌者の約3割程度です。
残りの7割の方は、ピロリ菌に感染した状態でも何の症状も出ず、「健康保菌者」または「無症候キャリア」と呼ばれます。ピロリ菌に関連した症状は、
・胃潰瘍になると、胃がシクシク痛む
・胃炎が起こると、胃がもたれる
など、それぞれの病気によって様々です。
ピロリ菌が胃粘膜に感染すると、慢性活動性胃炎という持続的な炎症を引き起こします。
胃粘膜は徐々に萎縮し、その結果、胃の粘液や胃酸の分泌が低下し、胃の不快感や消化不良などの症状が現れます。胃の萎縮とは、「胃の老化現象」などと言われています。
ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性(萎縮性)胃炎、胃がん、胃MALTリンパ腫の発生や進行、特発性血小板減少性紫斑病などに関係しています。
ピロリ菌に感染していない健常者に比べ、ピロリ菌陽性でかつ萎縮性胃炎が進んだ患者では、10倍胃がんの発生リスクが高くなります。
世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、2014年9月「胃がんの80%はピロリ菌感染が原因で、除菌によって胃がん発症を30~40%減らせる」と報告しております。
胃・十二指腸潰瘍の罹患率は全国的に減少していますが、高齢者の方の出血性胃十二指腸疾患は増加傾向にあります。これは痛み止めや解熱剤で使用される非ステロイド(NSAIDs)の内服などの影響が考えられます。そこにピロリ菌感染が加わると、胃・十二指腸潰瘍や出血性潰瘍の罹患率が上昇します。
ピロリ菌が陽性でNSAIDsを服薬していると胃・十二指腸潰瘍の罹患率は61.1倍、出血性潰瘍の罹患率は6.13倍になるとされています。
消化管出血の原因となる薬剤はNSAIDsだけではありません。高齢者の方が脳梗塞予防や虚血性心疾患予防目的で多く服薬している抗血小板薬も出血のリスクを上昇させます。
消化管出血を引き起こすリスクがある薬を服薬する場合は、服薬前に胃内視鏡検査(胃カメラ)で胃粘膜の炎症や萎縮の程度を確認し、出血してしまう前にピロリ菌検査と除菌の検討をする必要があります。
ピロリ菌の検査にはピロリ菌感染の判定や除菌治療後の効果判定など目的に応じ、様々な検査法があります。
これまでピロリ菌の除菌治療は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気のみに健康保険が適用されていましたが、2013年2月21日から「慢性胃炎」も健康保険の対象に加わりました。現在はピロリ菌の1次・2次除菌まで保険診療の適応となっています。3次・4次除菌は自費診療となります。
※ 胃内視鏡(胃カメラ)検査を行わずに、ピロリ菌の検査や除菌を行う際は自費診療となります。詳しくは胃がんリスク検診(ABC検診)の項目をお読みください。
胃内視鏡(胃カメラ)を使用した検査方法
・迅速ウレアーゼ検査
ピロリ菌は胃の中で生きていくために、尿素をアンモニアに変える「ウレアーゼ」という酵素を出しています。この検査は、生検で採取した胃粘膜組織の中にいるピロリ菌のウレアーゼ活性を利用した検査です。結果判定まで短時間に、しかも安価なため、胃カメラでピロリ菌感染が疑われた際に同時に行うことができます。しかし、除菌後の判定には向いていません。
・鏡検法
採取した胃粘膜の組織をホルマリンで固定し後、顕微鏡で観察し、ピロリ菌がいるかどうかを調べます。診断の精度が落ちます。
・培養法
採取した胃粘膜の組織を培養して、ピロリ菌がいるかどうかを調べます。培養に時間がかかるため、結果が分かるまでに3~7日ほどの日数がかかります。
胃内視鏡(胃カメラ)以外の検査方法
・尿素呼気試
容器に息を2回吐いて、呼気を調べる検査です。
ピロリ菌の持っている「ウレアーゼ」という酵素は尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解しますが、このときの二酸化炭素は吐く息の中に出てきます。最初に呼気を採取し、その後特殊な尿素製剤である試験薬を飲んでから20分ほど置いてから再び呼気を採取します。
患者さんには全く体への負担がなく、30分ほどで終了する簡単な検査で、かつ精度も優れています。特に除菌治療をした後、高精度に除菌できたかの判定によく使われる検査法です。
食事を4時間、飲水を2時間していなければ、その場で検査が可能です。
・血中抗ピロリ菌抗体測定
採血を行い、血液中の抗ピロリ菌IgG抗体を調べます。内服薬の影響を受けないため、胃潰瘍薬を服薬中あるいは中止直後の感染診断に有用です。ピロリ菌の除菌に成功すれば抗体価は低下しますが、完全に低下するには1年以上かかるため、除菌判定には適していません。
食事に関係なく検査が可能です。
・尿中抗ピロリ菌抗体測定
人間の体は細菌が体内に入ってくると「抗体」を作ります。ピロリ菌に感染した人はピロリ菌に対する抗体ができるので、この有無を調べます。
尿検査なので負担が少なく、人間ドックや検診などのスクリーニングに有用です。
食事に関係なく検査が可能です。
・便中ピロリ菌抗原測定
便中のピロリ菌抗原を調べる方法で、負担が少なく、小児での検査も可能です。
感染診断および除菌判定において信頼度の高い検査です。
食事に関係なく検査が可能です。
※ 胃内視鏡(胃カメラ)検査を行わずに、ピロリ菌の検査や除菌を行う際は自費診療となります。
検査法 | 感度(%) | 特異度(%) | |
侵襲的 | 培養法 | 77~94 | 100 |
鏡検法 | 93~99 | 95~99 | |
迅速ウレアーゼ法 | 86~97 | 86~98 | |
非侵襲的
| 尿素呼気試験 | 90~100 | 80~99 |
血清抗体 | 88~96 | 89~100 | |
尿中抗体 | 89~97 | 77~95 | |
便中抗原 | 90~98 | 87~100 |
感度が高いということは、その病気に罹っている殆どの方が検査陽性になることを意味します。つまり、感度が高い検査で検査陽性の場合、その疾患に罹患している確率が高くなります。
特異度が高いということは、その病気に罹っていない方の殆どが検査陰性になることを意味します。つまり、特異度が高い検査で検査陰性となれば、その疾患に罹患していない確率が高くなります。
感度、特異度がともに高い(100%に近い)検査では、その検査を行うだけで、疾患の有無を判定できます。
ピロリ菌の除菌治療は2種類の抗生剤と1種類の胃酸分泌を抑制する薬(制酸剤)、合計3種類を朝と夜、1日2回を1週間服用します。
まず1回目(1次除菌)によって約70%の除菌に成功します。残念ながら1次除菌が不成功に終わった場合は、2次除菌を行います。お薬の内容が変わりますが、内服方法は同様です。
最近では、同じピロリ菌でも従来の抗生物質で効かない耐性菌が出現し、除菌率の低下が問題になっています。最新のデータによると「クラリスロマイシン」という薬には
約28%のピロリ菌が耐性を有しており、特に除菌失敗例では半数以上に耐性菌が確認できると言われています。このため当初の1次除菌率は約 90%でしたが、現在では60~70%台にまで低下しています。ただし「アモキシシリン」という薬には今のところ耐性菌はおらず、有効性が高いようです。
2次除菌まで行うことにより、90%が除菌に成功します。(それでも除菌不成功に終わった場合は3、4次除菌を行いますが、保険適応になりません。)
除菌後、再感染する確率は1年間で0.2%であり、殆ど再感染しないことが分かっています。
尿素呼気試験という吐いた息を調べる検査、あるいは便の検査(便中ピロリ菌抗原測定)になります。お薬を飲み終わった後、少なくとも1か月以上あけてから調べます。当院では2か月後でご案内しております
除菌のお薬を飲み終わった直後では、除菌不成功に終わっていても、ピロリ菌の数自体は減っています。そのため検査上はピロリ菌陰性となってしまいます。このような偽陰性(本当は除菌できていないのに見かけ上、除菌できたと判定されてしまう)を避けるために、少なくとも1か月以上あけてからの検査となります。
除菌療法後、PPI(プロトンポンプ・インヒビター)を服用しても良いですが、2週間以上服薬を中止した後に除菌判定を行います。これは、PPIがピロリ菌に対して静菌作用を有するため、偽陰性(陽性であるのに検査結果が陰性となる)となることがあるからです。
PPI(プロトンポンプ・インヒビター)の薬剤名は以下のものです。
オメプラール(オメプラゾール)、オメプラゾン(オメプラゾール)、
タケプロン(ランソプラゾール)、パリエット(ラベプラゾールナトリウム)、
ネキシウム(エソメプラゾール)、タケキャブ(ボノプラザン)など
ピロリ菌の再感染率は0.2~2%と低いされていますが、除菌後にも胃がんが発見されている報告もありますので、定期的に胃内視鏡検査(胃カメラ)などで検査をしていく必要があります。
学会のガイドラインでは尿素呼気試験による除菌効果判定は、ピロリ菌の除菌療法を終了してから1か月以降であればOKとされています。しかし、除菌後2か月以内の効果判定では再発率が5.5%であったという報告があり、効果判定が早いと「偽陰性」が多くなり、ピロリ菌の「再発」の確率が増えてしまうという指摘があります(本当は感染があるのに、検査で陰性とでてしまうことを「偽陰性」といいます)。
当院では「偽陰性」避けるために、除菌薬の服用後は少なくとも2か月は空けて除菌の有無の確認の検査をしていただくようにしております。
確実な除菌療法を行うために、安全性を十分に考慮して、問題がなければできる限り継続します。ピロリ菌除菌療法の失敗は、耐性菌の増加につながります。そのため、何回も同じ薬剤による除菌療法を行うことができません。ただし、服用を続けているうちに、下痢や味覚異常が酷くなった場合は我慢をせずに、来院してください。
ただし、治療中止になるほどの強い副作用が起きる確率は全体の2~5%程度です。高齢者ほど治療に問題があるということはありません。
若ければ若いほど除菌による恩恵が多いので、積極的に除菌をお勧めしています。また、高齢の方への対応は専門家間で意見が別れますが、高齢の方は血液をサラサラにするお薬を飲んでいすることが多く、こうした方は胃潰瘍になると出血が止まりにくく、とても危険です。そのため、血液をサラサラにするお薬を服用する前に除菌治療を受けるようお勧めしております。
除菌療法中の副作用に対する対応
除菌療法後、PPI(プロトンポンプ・インヒビター)を服用しても良いですが、2週間以上服薬を中止した後に除菌判定を行います。これは、PPIがピロリ菌に対して静菌作用を有するため、偽陰性(陽性であるのに検査結果が陰性となる)となることがあるからです。現在通院中の医療機関でPPIが処方されている場合があるため、これから除菌する、除菌中の方はご注意ください。
PPI(プロトンポンプ・インヒビター)の薬剤名は以下のものです。
オメプラール、オメプラゾン、タケプロン、パリエット、ネキシウム、タケキャブなど
ピロリ菌の除菌療法が成功すると、ピロリ菌が関係している様々な病気のリスクは下がりますが、ゼロにはなりません。除菌後も定期的な検査を続けましょう。
除菌療法に成功した患者さんのうち、少数の方(約10%)で逆流性食道炎が報告されています。これはピロリ菌の除菌によって、それまで低下していた胃液の分泌が正常に戻ったために、一時的に起こると考えられています。
LG21などの一部のヨーグルト、マヌカハニーなどのハチミツ、ココアの脂肪成分、梅肉エキス、ブロッコリーの新芽(スプラウト)、わさびの葉、シナモン、海藻類、クランベリーなどに含まれる成分に、ピロリ菌を抑制する作用があるとされています。しかし、抑制作用はあるものの、除菌に有効という科学的根拠はありません。
ピロリ菌除菌での問題点は、耐性菌により1次除菌の除菌率が低下してきていることです。近年クラリスロマイシン耐性型のピロリ菌が増加しており、全国平均では約40%が耐性菌になっているようです。小児科、呼吸器科、耳鼻咽喉科領域を中心にクラリスロマイシンが高頻度に使用されているため、耐性菌が増加していると考えられています。2000年には一次除菌の除菌率が90%程度でしたが、近年では除菌率が70%程度まで低下しているという報告もあります。
これに対して、1次除菌に乳酸菌Lactobacillus gasseri OLL2716(ガセリ菌LG21)を含むヨーグルトを併用することでクラリスロマイシン耐性ピロリ菌の除菌率が飛躍的に向上するとの研究成果を、2009年6月世界で最も権威ある米国消化器学病週間(DDW)で報告されております。
具体的には、LG21乳酸菌入りヨーグルト112gを1日2個、4週間(除菌前の3週間+除菌中の1週間)摂取するのが良いとされています。除菌率を上げるには、1ヵ月前辺りから摂取すると除菌の成功率が上がるでしょう。
ピロリ菌が、「鉄欠乏性貧血」、「慢性蕁麻疹」、「特発性血小板減少性紫斑病(TTP)」など消化管疾患以外の病気にも関与しているということが近年の研究でわかってきました。注目されている「鉄欠乏性貧血」と「慢性じんましん」について解説します。
・鉄欠乏性貧血
全身に鉄を運ぶヘモグロビンを作るのに必要な鉄が欠乏して、ヘモグロビンを作ることができなくなって起こる貧血です。日本人女性の約10%が該当し、30~40%はその予備軍といわれています。月経や消化管出血、偏食などによる鉄分の摂取不足が主な原因です。
乳児期と思春期に発生しやすいのが特徴で、中学生の1.8%が鉄欠乏性貧血だという報告もあります。とくに思春期では、集中力が低下したり、イライラして不安になったりすることもあるので、学校の成績が下がる、スポーツ活動がうまくいかないなどの影響がでることがあります。
最近の研究では、ピロリ菌に感染していると、胃に感染したピロリ菌が消化管からの鉄の吸収を阻害したり、ピロリ菌の増殖に鉄が消費されて、鉄欠乏性貧血を引き起こしたりすることが明らかになっています。
日本小児感染症学会では、鉄欠乏性貧血に対して、「小児期では消化性潰瘍に次いで、ピロリ関連の疾患として重要である。特に10歳以降の年長児の原因不明の鉄欠乏性貧血児の約60~70%がピロリ感染があり、除菌成功した症例では貧血が治癒し再発を認めない」ということを報告しています。
ピロリ菌除菌は、鉄剤による貧血治療を優位に促進することが報告されています。鉄欠乏性貧血の原因が他にない、治療のため鉄剤を投与しても効果がない、あるいは鉄剤をやめると貧血が反復するといった貧血の場合には、ピロリ菌の関与が疑われると指摘されています。
・慢性蕁麻疹
慢性じんましんは、さまざまな原因によって、皮膚のかゆみを伴う盛り上がった発疹がでる病気です。
海外で、ピロリ菌感染の患者さんに除菌治療をしたところ、症状が改善したという報告があります。日本でも、除菌に成功した例では64.7%で症状が改善したのに対して、感染が持続した例では改善が22.2%に留まり、優位な差があったという報告があります。慢性難治性のじんましんに対しては、除菌治療が治療の選択肢の一つとなっています。
ただし、じんましんは通常の経過観察においても改善し、また、じんましん発症の機序は複雑で、多数の因子が関与し種々の病因が考えられているため、ピロリ菌感染が関連した慢性じんましんを診断することは難しいとされています。
そのほか、ピロリ菌感染は、心血管疾患をはじめ、自己免疫疾患、神経疾患、肝胆膵疾患など種々の全身疾患との関連性も報告されています。単にピロリ菌感染の有無だけではなく、ピロリ菌遺伝子タイプの違いが疾患の発症に関わっているのではないか、ということを示唆する報告もあります。
ピロリ菌は乳幼児期(0~5歳頃まで)に「経口感染」によって感染します。これは、幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生き延びやすいためです。
現在は、水道水などからの感染はなく、小さい子供に親が食べ物を嚙み砕いて口移しで上げることが原因とされています。
親がピロリ菌に感染していても自覚症状がないことが多く、気が付かないうちに子供にうつっているということです。10代で約4~5%、20歳代で約10~15%の感染者がおります。除菌しない限り、胃の中に生息し続けます。両親がピロリ菌に感染していると、子供への感染率は40%に達するようです。
もしピロリ菌に感染していても、できるだけ早い時期に除菌をすると将来の胃がんの予防につながりますし、次世代への感染を防ぐこともできます。
そのため、なるべく若いうちに除菌が勧められていますが、あまり早過ぎると、小さいうちはなかなか抗体ができず「偽陰性」となるケースや、後に再感染するケースがあります。
何も症状がない場合、20歳を過ぎたら検査することが望ましいとされています。
3割負担 | 10割負担(自費) | |
便中ピロリ菌抗原検査 | 約1,000円 | 約4,000円 |
尿素呼気試験(UBT) | 約2,000円 | 約6,000円 |
ピロリ菌1・2次除菌 | 約1,500円 | 約5,000円 |
ピロリ菌3・4次除菌 | ― | 約15,000円 |
△土曜日午後の診療は
15:30~17:00まで
土曜日午後は完全予約制
休診日/木曜・日曜・祝祭日